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1棟目の事故——ベランダ崩落と、取り壊しを決めた日

倉庫として貸し出しながら、なんとか維持していた相続アパート。しかし、ある平日の昼間、その平穏を打ち破る一本の電話が入りました。

「アパートのベランダが落ちました」

管理会社からの言葉に、頭が真っ白になりました。急いで現場へ駆けつけると、2階のベランダが地面に崩れ落ちています。幸い、当時は倉庫として運用していたため、怪我人は一人もいませんでした。しかし、もし住居として貸し出していたら、あるいはその瞬間に誰かが下を通っていたら——。今思い返しても、背筋が凍る思いです。

追い打ちをかけた「無保険」の事実

さらなる衝撃が私を襲いました。相続した物件だったため、保険の加入状況を正確に把握できていなかったのですが、調べてみると**「火災保険未加入」**の状態だったのです。当然、修繕費用はすべて自己負担。金銭的な打撃もさることながら、「もし被害者が出ていたら、その人生をどう償うつもりだったのか」という損害賠償リスクの恐怖に、文字通り肝を冷やしました。

「貸す」責任の重さを胸に、取り壊しを決断

この事故を機に、私はアパートの取り壊しを決断しました。築年数が限界を超えており、一部を修繕したところで根本的な安全は確保できない。誰かの命を預かっているという不安を抱えたまま、運営を続けることはできないと判断したからです。

この経験から得た「教訓」

  1. 築古物件は「疑う」:目に見えない構造部分(ベランダ、外壁、屋根)の劣化も検査確認をし、放置しない
  2. 保険確認は最優先:相続・取得時は、加入状況と補償内容を確認、精査する

この手痛い経験こそが、私が不動産投資を基礎から学び直し、現在のスタイルを築くための真の原点となりました。


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